知床小型観光船が今季の運航終了 乗客はコロナ前の4割

観光船に乗り込む人たち=4月、北海道斜里町のウトロ港
観光船に乗り込む人たち=4月、北海道斜里町のウトロ港

北海道・知床沖の観光船沈没事故で、出港地だった斜里町・ウトロ港を拠点とする4社の小型観光船が25日までに今季の運航を終了した。悪天候で運航本数が減るなどし、乗客数は新型コロナウイルス禍前の約4割にとどまった。町は事故から1年半がたったのを機に、ふるさと納税の使途として設けていた「事故対応」の項目を10月末でなくすと明らかにした。

事業者4社でつくる「小型観光船協議会」によると、事故後に自主ルールを設け、営業期間を25日までの約半年間と定めていた。

今季は悪天候などの影響で運航本数は当初予定の約6割。協議会の神尾昇勝会長は「まずは安全に営業を終了することができ安心した。安全対策に何が良いか考え、今後も事故なく運航したい」と話した。

斜里町は、事故対応に使途を限定したふるさと納税の寄付金を海難事故基金に繰り入れ、行方不明者の捜索費や慰霊事業費に充ててきたが、今後必要な費用が減ると見込まれるため、項目を削除する。基金への募金はこれまで通り受け付ける。

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