世界最大級の旅行予約サイト「ブッキング・ドットコム」から取引先の宿泊施設への支払い遅延が相次いでいる。未払いの被害を受ける国内のホテルや旅館などが、近く損害賠償を求めて集団提訴することが分かった。原告側の代理人には全国約40カ所の宿泊施設から相談があったという。ある旅館の支配人は、ブッキング・ドットコム側の対応を「無責任すぎる」と強く批判した。
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3カ月連続遅延
「集客力が一番あるサイトなので契約していますが、対応が無責任すぎて信用できない。お金の遅延はあってはいけないことでしょう」
そう話すのは神奈川県箱根町の箱根湯本温泉にある旅館「箱根藍瑠(あいる)」の渡辺健支配人。予約客からブッキング・ドットコムを通じて前払いされた宿泊料金の入金が、7月分から3カ月連続で遅れたと話す。
同旅館では現在、宿泊客の約9割が欧米からの旅行者。同サイトからの予約は多いが、今月6日には同サイトの日本法人から「弊社では管理することのできない状況により、銀行振込を予定通りに行うことができず、遅延の発生が予想されます」などと説明するメッセージが届いたという。