デルタ航空7〜9月、純利益6割増 通期予想は引き下げ
【ニューヨーク=弓真名】米デルタ航空が12日発表した2023年7〜9月期決算は、純利益が前年同期比59%増の11億800万ドル(約1650億円)だった。夏の海外旅行の需要が全体をけん引した。デルタは10〜12月期も需要の強さは続くとしているが、燃料価格の高騰などを理由に23年12月期通期の業績予想を下方修正した。
売上高は11%増の154億8800万ドルだった。旅客収入の内訳は、欧州路線が34%増の31億1000万ドル。アジア太平洋路線は65%増の5億5900万ドルだった。国内線も6%増と堅調だった。
運営コストは全体で8%増となった。デルタのパイロットが3月に承認した新契約により、給与などの人件費が23%増えた。
エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は12日の決算説明会で、「燃料費や人件費の高騰、インフレ圧力がある」と指摘。デルタの幹部によると、燃料価格の高騰は下半期だけで約4億ドルのコスト負担につながっている。
23年10〜12月期は、機材のメンテナンス費用やサプライチェーンの混乱によるコストの増加も想定している。こうした負担が利益を圧迫する可能性が高いとして23年12月期通期の業績予想を下方修正した。1株利益は従来予想の6〜7ドルから6〜6.25ドルになるとし、上限を引き下げた。
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