ライドシェア本格導入へ発信強める菅前首相…「タクシーが足りない、本気でやる」
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米国での特派員時代、ワシントンから地方に出張した際の足になったのはレンタカーと、ウーバーテクノロジーズやリフトが提供する配車サービスだった。
「お前が俺のお客第1号だ」
カントリーミュージックの聖地として知られる南部テネシー州ナッシュビルでウーバーを利用した際は、塗装工だという屈強な男性がこう話し、ピックアップトラックでお勧めの生演奏付きバーへまで送ってくれた。
海外では自家用車で乗客を運んで稼ぐ「ライドシェア」が普及している。ただ、日本では、「白タク」行為として道路運送法で原則禁止されており、ウーバーなどは各地でタクシー会社と連携し、タクシー配車を行うにとどまっている。
観光地から悲鳴

こうした現状に風穴を開けようと最近、自民党の菅義偉・前首相が日本へのライドシェア本格導入に向け、発信を強めている。
「現実問題としてタクシーが足りない。色んな観光地が悲鳴を上げており、議論していきたい」(8月19日、長野市内での講演)
確かに菅氏が言うように、コロナ禍の収束で訪日外国人客数が急回復する一方、タクシー不足は深刻化している。全国ハイヤー・タクシー連合会によると、タクシー会社で働く運転手の数は今年3月末時点で23万1938人。コロナ前の19年と比較すると20%以上も減った。

菅氏の動きに、河野デジタル相や小泉進次郎・元環境相らも呼応した。
河野氏は9月13日の内閣改造で規制改革担当も兼務することになった。22日の記者会見では早速、ライドシェアに関し、岸田首相肝いりの「デジタル行財政改革会議」で議論する考えを示した。
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