「まるごとホテル」がツーリズム・アワード最高賞 青梅線沿線「地域課題顧客価値に転換」  

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 JR青梅線沿線で進行中の地域活性化プロジェクト「沿線まるごとホテル」が、「第7回ジャパン・ツーリズム・アワード」の最高賞である国土交通大臣賞に選ばれた。プロジェクトを進める「沿線まるごと株式会社」(奥多摩町、嶋田俊平・代表取締役)は「驚きと責任の重さを感じる」と、事業の成功に向けて気を引き締めている。

レストランへの改修工事が始まった古民家(26日、奥多摩町で)
レストランへの改修工事が始まった古民家(26日、奥多摩町で)

 同社はJR東日本と、地域活性化事業を手がける「株式会社さとゆめ」が、共同出資して設立された。プロジェクトでは、無人駅の駅舎などを「ホテルのフロント」として活用。さらに、沿線の古民家を「ホテルの客室」に改修し、地域住民とともに接客・運営することで、「沿線地域全体をひとつのホテル」に見立てる取り組みを進めている。

 第1弾として始めたのが、青梅線沿線での事業で、2022年6月に、観光情報の発信とともに、地元の協力事業者らと体験ツアーやイベントを考案する研究所機能を持つ施設「沿線まるごとラボ」を、鳩ノ巣駅にオープンさせた。

 今月22日には、24年3月の開店を目指し、「ラボ」から車で数分の多摩川沿いの古民家を、レストランとサウナに改修する工事に着手した。隣接する古民家も、24年度内にはホテルに改修する計画で、「ラボ」は、そのホテルのフロントの役割も担っていく。

 その後も、主に奥多摩町の青梅線沿線の古民家を改修し、26年度までに5~8棟で宿泊事業を展開するという。さらに、JR東日本エリア内の30地域以上で、40年までに地域特性に合わせた事業創出を目指す。

 国土交通大臣賞の受賞理由は「空き家はホテル、無人駅はフロントになど、地域課題を顧客価値に転換し、魅力につなげている」という点だった。同賞とともに、「学生が選ぶジャパン・ツーリズム・アワード賞」も同時受賞した。

 嶋田氏は「『沿線まるごとホテル』は、過疎高齢地域の課題を、価値に変換、提供していくプロジェクトで、青梅線沿線の皆さまとともに、新たなツーリズム創出にまい進したい」と話している。

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