訪日客増でも…クレカ会社なぜ手数料赤字?
ここが気になる
三井住友カードなどカード会社は、飲食店や小売店にカード読み取り端末を置いて加盟店を増やしています。加盟店からカード利用額の1.9%程度を手数料として受け取ります。ただ、訪日客が海外で発行されたカードを使う場合は手数料がかさみ、海外のカード発行会社に1.8%程度、米ビザや米マスターカードなど国際ブランドに0.8%程度払うため、人件費なども含めると0.7%分の赤字です。
カード会社の試算では、訪日客がコロナ禍前の水準まで回復すれば、国内カード業界の赤字は年200億円規模になります。これまでは日本人のカード利用や手数料率が低い中国銀聯(ユニオンペイ)の黒字で補ってきました。しかし中国からの団体旅行が途絶え、米欧からの訪日が先に回復したため赤字構造が強まりました。
公共交通機関にクレカで乗れるようにする仕組みにも同じ課題があります。訪日客の回復と改札の混雑緩和のため、国際ブランドが旗振り役となって導入を進めてきました。現在は鉄道会社の電子マネーや切符が主流ですが、訪日客回復が見込まれる中、海外発行のカードの利用範囲が広がれば海外に支払う手数料がますます増えます。
2019年入社。食品メーカーの取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。斉藤和義のライブツアーを見にいってきました。自分でギターを弾いてみて初めてそのすごさが分かるようになった超絶技巧に酔いしれました。デビュー30周年記念のツアーも楽しみです。
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