JR東海社長、リニア工事「見通し立たない」

記者会見するJR東海の丹羽俊介社長=3日午後、大阪市淀川区
記者会見するJR東海の丹羽俊介社長=3日午後、大阪市淀川区

JR東海の丹羽俊介社長は3日、大阪市内で開いた定例記者会見で、同社のリニア中央新幹線の令和9年開業が困難になっている東京・品川―名古屋の工事について「まだ見通しを立てることができない」と述べた。静岡県が大井川の流量減少を懸念して静岡工区の着工を認めていないことなどを念頭に置いた発言。

同区間開業後の着工を予定していた名古屋-大阪については「環境アセスメントの前段階として、駅設置などを想定した沿線府県との情報交換を進めている」と説明した。

一方、東海道新幹線の現在の利用状況は「休日は観光客を中心に新型コロナウイルス禍前と同じ水準まで回復している」との認識を示した。新大阪駅のプラットホームの一部で約1・7億円をかけて、車両とホームの隙間と段差を縮小する工事を行い、渡り板なしでも車いすでの乗降ができるようにする計画を発表。11月に着工し、7年3月の完成を予定する。

ビジネス客の回復が遅れていることについては「コロナ禍で一定の割合で出張がオンラインに置き換わったとみられる。駅の待合室を(仕事をしやすいように)整備するなどの取り組みを進めたい」と語った。

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