米ユナイテッド、パイロットの賃上げ 4年で最大40%
【ニューヨーク=弓真名】米ユナイテッド航空と労働組合の国際航空パイロット協会(ALPA)は、賃上げを含む新たな契約に合意した。ユナイテッドは新契約を通じ、4年間で最大40%の賃上げを約束した。今後数週間、交渉担当者は文言を最終調整し、その後組合員による投票を実施する予定だとしている。
新契約では時間外手当や休日手当などの要項についても改善を約束した。パイロットが搭乗する航空機の種類に基づき、4年間の累積の賃上げ率は34.5%から40.2%となった。契約の締結日時点では、13.8%から18.7%の即時賃上げを実施する。
ALPAは米国やカナダの航空会社のパイロットが加入する。ALPAの声明によると大幅な賃上げを含む今回の契約によって、給与とその他の福利厚生を合わせデルタ側の支出は契約期間中に約100億ドル(約1兆3900億円)に達するという。
ユナイテッドのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は自身のSNS(交流サイト)で「パイロットに対してふさわしい契約内容で合意できたことをうれしく思う」とコメントした。
米航空業界は記録的な旅行需要のなかで、パイロットや乗務員の人手不足に直面している。航空関係者は賃上げや労働環境の改善を求め、声を上げている。
デルタ航空のパイロットは3月、4年間で34%の賃上げを含む新契約を承認した。アメリカン航空の労組は5月、2027年までに41.5%の賃上げを約束する新契約で暫定合意し、組合員による投票を7月下旬に実施する予定だ。
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