「小涌園」が5年ぶり新装開業 館内をキャッシュレスに
藤田観光は12日、「箱根ホテル小涌園」(神奈川県箱根町)を新装開業した。旧ホテルは老朽化で2018年に閉館し、建て替え工事をしていた。隣接する温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」の利用を無料とし、家族層をターゲットにする。訪日客対応やフロント業務の省人化で、館内の支払いはキャッシュレスとした。
旧「箱根ホテル小涌園」は箱根駅伝のルート沿いに1959年に開業した。新ホテルは6階建てで客室は150室。客室の広さは18〜50平方メートルで、家族三世代で泊まれるようにした。滞在中はユネッサンが利用し放題となる。投資額は約60億円。同日ホテル内で開いた記者会見で伊勢宜弘社長は「10年以内に回収できる予定」と話した。
施設のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を進めた。名前などを入力するとカードキーが発行される自動チェックイン機を導入。チェックアウト時は客室内から精算でき、フロントでの混雑を緩和する。客室内からはレストランや大浴場の混雑状況も確認できる。ホテル内の支払いはクレジットカードやQRコード決済のみとして、現金は使用できない。
伊勢社長は「箱根エリアと共に観光業界を盛り上げていきたい」と述べた。藤田観光は小涌園のほか、ワシントンホテルやホテル椿山荘東京(東京・文京)などを運営している。