北海道や沖縄で「空飛ぶクルマを観光に」…JAL、25年にも運航
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日本航空の赤坂祐二社長(61)が読売新聞の取材に応じ、商用運航を目指す「空飛ぶクルマ」について、「欧米の人が求める観光に必要だ」と述べ、北海道のリゾート地や九州・沖縄の離島での事業化を検討していることを明らかにした。観光地と地方空港をつなぐ新たな移動サービスに成長させ、訪日客の需要を取り込む。

日航はドイツの新興企業「ボロコプター」と組んで2025年の大阪・関西万博会場での来場者輸送を目指している。赤坂氏は、観光地での事業化についても「(万博後に)連続的に動かしていきたい」と、25年中の実現を視野に入れていることを示した。航空機での安全運航のノウハウが生かせるとしている。
足元の国内線需要は、観光での利用がほぼコロナ禍前に戻る一方、ビジネス利用は7割程度にとどまる。オンライン会議の定着に伴う出張の減少が要因で、赤坂氏は「しばらくはこの水準とみた方がいい」と指摘した。「その分、訪日客が飛行機で地方に行く需要を増やしたい」と述べ、北海道や沖縄が有望だとした。「川や森の上空など人のいない場所での運航が現実的だ」との考えも示した。
空飛ぶクルマを巡っては、ANAホールディングスも米新興企業と連携して国内で事業化を目指している。今後、両社の競争激化が見込まれる。