北海道エアポートの23年3月期、最終赤字198億円に縮小
北海道内の7空港を一括経営する北海道エアポート(HAP、北海道千歳市)が21日発表した2023年3月期の連結決算は、最終損益が198億円の赤字(前の期は311億円の赤字)だった。新型コロナウイルスの感染対策が緩和され、国内線と国際線はいずれも旅客数が回復傾向にある。
売上高は前の期比48%増の373億円。国内線と国際線を合わせた7空港の乗降客数は89%増の2224万人で、新型コロナ禍以前と比べると約7割。うち国際線は93万人で「想定を上回る水準だった」(山本貴之常務)。営業損益は125億円の赤字(前の期は231億円の赤字)、経常損益は201億円の赤字(同311億円の赤字)に持ち直した。
24年3月期は旅客数を2651万人に増やす目標で、うち国際線は247万人に伸ばす。23年7月には新千歳空港から中国の北京や上海を結ぶ路線が再開する。蒲生猛社長は記者会見で「新型コロナ禍以前は香港を含む中国便が、国際線旅客の4割を占めていた。戻ってくるのはありがたいが、ビザの制限や団体旅行などの動向がまだ見えない」と述べた。
蒲生社長は同日、正社員の給与を平均で月5900円引き上げるベースアップ(ベア)を実施すると明らかにした。7月から適用し、定期昇給と合わせた賃上げ率は平均4%程度になる。初任給も8000円引き上げ、21万1000円とする。
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