航空各社、排出量実質ゼロ化に向け政府やメーカーに協力要請

航空各社、排出量実質ゼロ化に向け政府やメーカーに協力要請
 世界の大手航空会社は6日、国際航空運送協会(IATA)の年次総会で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「非常に厳しい」目標の達成へ向け幅広い協力を呼びかけるとともに、気候に関する中間目標を来年に発表すると約束した。写真はSAFを給油するエールフランス機。ニース空港で2021年10月撮影(2023年 ロイター/Eric Gaillard)
[イスタンブール 6日 ロイター] - 世界の大手航空会社は6日、イスタンブールで開催された国際航空運送協会(IATA)の年次総会で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「非常に厳しい」目標の達成へ向け幅広い協力を呼びかけるとともに、気候に関する中間目標を来年に発表すると約束した。
世界の二酸化炭素(CO2)排出量の約2%を占める航空部門は、脱炭素化が最も難しいセクターの一つと考えられている。航空会社300社が加盟し、世界の航空輸送の約80%を占めるIATAは、目標の達成に向け各国政府、航空機メーカー、規制当局が力を合わせる必要があると訴えた。
IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は「われわれは2050年の実質ゼロ化目標の達成に向け全力で取り組んでいる」と強調した。
総会ではまた、多くの航空会社が新しい旅客機を発注して、想定を上回る需要に最新の旅客機で応じることへの関心を表明、消費の回復を示す明白な証拠が示された。
環境保護団体は、こうした急速な成長は業界の排出量削減に関する約束と相反すると指摘。一方で航空機メーカーによると、最新のジェット機は新たな代替燃料を活用する最も効率的な出発点を提供している。
持続可能な航空燃料(SAF)の供給量が低調にとどまる中、航空会社にCO2排出量削減を求める圧力は高まっている。現在、航空会社の燃料消費に占めるSAFの比率は0.1%にとどまっている。
航空会社は目標とする排出量削減の62%をSAFに依存しているが、現在の価格は航空燃料「ケロシン」の2─4倍だ。

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