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サンフランシスコ有数の大型ホテル2件、オーナーがローン履行停止

  • 7.25億ドルのローン、今後の対応を検討中-将来に手放す可能性も
  • 市復活への道は「視界不良」とCEO-記録的なオフィス空室率指摘
Buildings in downtown San Francisco, California, US, on Thursday, Dec. 15, 2022.
Buildings in downtown San Francisco, California, US, on Thursday, Dec. 15, 2022. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

米サンフランシスコ有数の大型ホテル2件に関連したローンの履行が停止された。リモート勤務によるオフィス不動産の低迷や、治安問題に揺れる同市中心部に追い打ちとなった。

  客室1921室を抱えるヒルトン・サンフランシスコ・ユニオン・スクエアと、パーク55サンフランシスコ(同1024室)を所有するパーク・ホテルズ&リゾーツは、7億2500万ドル(約1020億円)のローンについてサービサー(債権回収会社)と今後の対応を検討していると、5日の文書で明らかにした。いずれは両ホテルを手放す見通しだという。

  トーマス・ボルティモア最高経営責任者(CEO)は「サンフランシスコ復活への道は依然として視界不良で、大きな問題を抱えて長引いているとの見方をわれわれは今まで以上に強めた」と文書で説明。「記録的なオフィス空室率や治安の問題、他都市より低いオフィス復帰率、2027末まで大規模な会合が予想ほど決まっていないこと」を挙げた。

  ホテル業界にとって、この数年は波乱の時期だった。特に新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)は大きな打撃となった。レジャー目的の旅行需要は堅調に回復している一方、ビジネス目的の出張は戻りが鈍く、都市部の大型ホテルへの圧迫が強まっている。

  特にサンフランシスコのホテルはダメージが大きい。リモート勤務が普及したハイテク企業では、オフィススペースが縮小され、オフィス占有率が急降下。スタートアップ企業は資金調達に不安を感じている。市の財政も悪化し、住民の過半数がサンフランシスコの将来を不安に思っている。

シリコンバレー銀破綻がテック業界低迷のサンフランシスコに追い打ち

原題:Owner Stops Debt Payments on Two Large San Francisco Hotels (1)(抜粋)

 

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