宿泊施設の客室稼働率、昨年1位は山口県…要因は「瀬戸内海側に広がるコンビナート」

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 2022年の山口県内の宿泊施設の客室稼働率が6割弱となり、都道府県別で全国1位になったことが観光庁の宿泊旅行統計調査(速報値)で明らかになった。コロナ禍にもかかわらず、ビジネス客の利用が堅調だったことが要因とみられ、県は「(2次産業の比重が大きい)山口の産業構造の結果」と分析している。(相良悠奨)

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 観光庁は全国のホテル、旅館、簡易宿所などを対象に毎月、調査票の郵送・回収やオンラインを通じて宿泊旅行の実態を調べている。それによると、山口県の昨年1年間の延べ宿泊者数は前年比約80万人増の409万9930人。都道府県別では31位だった。

 一方、客室稼働率は57・1%で全国1位となった。観光庁観光統計調査室によると、新型コロナウイルス感染拡大前も50%台で、15~30位で推移していたが、70%台の稼働率を保っていた他県がコロナ禍で30%台まで落ち込んだことで、相対的に順位が上昇した。

 県内の稼働率が一定の水準で保たれた要因について、山口県は瀬戸内海側に広がるコンビナート企業群の存在を挙げる。「工場の定期修理や点検に訪れる県外客など、コロナ禍による影響が少なく、需要の増減も小さいビジネス層の利用が安定していた」とみる。

 実際、宿泊施設のタイプ別稼働率でもビジネスホテル65・1%、シティホテル60・8%と好調。感染者の急増で県内が「まん延防止等重点措置」の対象となっていた22年2月もビジネスホテルの稼働率は60%を超え、全国1位だった。

 さらに、行動制限が緩和された22年春以降は観光客の利用が回復した。旅行代金の一部を割り引く観光需要喚起策も奏功し、1、2月の時点ではともに20%前後だった旅館とリゾートホテルの稼働率が旅館36・0%、リゾートホテル45・7%まで持ち直した。

 客室稼働率が感染拡大前の19年を上回ったのは、山口県(19年比2・3ポイント増)と、栃木県(同比0・9ポイント増)だけだった。山口県観光政策課は「新型コロナの5類移行で一区切りを迎えた。宿泊観光の需要拡大につながる攻めの施策を打ち出したい」としている。

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4213834 0 経済 2023/06/02 07:01:00 2023/06/02 08:48:34 2023/06/02 08:48:34 https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/06/20230601-OYT1I50056-T.jpg?type=thumbnail

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