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旅行大手の近畿日本ツーリスト(東京)が新型コロナウイルス対策事業を巡り、自治体に過大請求していた問題で、大阪府警は1日、詐欺容疑で大阪市など複数の支店の捜索を始めた。同社は同府東大阪市など86自治体などから受託した事業で最大約16億円を過大請求した可能性があると発表していた。府警は関係資料を押収し、経緯などを調べる。
同社は、自治体からコールセンター業務などを受託する際、事前に取り決めたオペレーターやスタッフの数よりも少ない人数で再委託先に発注し、自治体には正規の人数分で人件費を請求するなどしていたとされる。
同社は今年4月、東大阪市での過大請求を発表。5月、社内調査の結果を公表し、大阪府や静岡県焼津市など86の自治体などから受託した事業で最大約16億円を過大請求した可能性があることを明らかにした。
近畿日本ツーリストの高浦雅彦社長は5月2日、東京都内で記者会見し、「社長として監督不行き届きを痛感している」と述べた。同社は調査を続けて金額を確定させた上で、返納する方針を示し、2023年3月期連結決算の公表を延期するなどしていた。
民間調査会社によると、近畿日本ツーリストはKNT―CTホールディングス(HD)の傘下で、22年3月期の売上高は779億9300万円。従業員は約1300人。