外資系ホテルの新ブランドが相次いで日本に上陸している。英国とタイのホテル大手は30日、国内初出店のホテルを報道陣に公開。日本での認知はまだ薄いものの、海外ではよく知られたホテルを出すことで、急回復するインバウンド(訪日外国人客)を呼び込む狙いがある。目新しさから国内客も関心を寄せる傾向があり、宿泊ニーズの多様化を受けてブランドの拡大は今後も進みそうだ。
英ホテル大手インターコンチネンタル・ホテルズ・グループは30日、日本初進出の「voco(ヴォコ)大阪セントラル」(大阪市西区、全191室)を錢高組の本社があった京町ビルの跡地に開業した。建物の設備の一部を装飾に生かすなど、新築ながら歴史を感じられる内装に仕上げた。
ヴォコは2018年にオーストラリアで1号店を出し、今年3月末現在、世界で46軒を展開。若い層をターゲットにしたカジュアルなサービスが受け、急拡大しているブランドだ。海外でヴォコを利用した人も多く、ヴォコ大阪セントラルの宍倉大地総支配人は「インバウンドを呼び込むうえで大きな強みとなる」と集客に自信をみせる。
一方、タイのホテル大手デュシット・インターナショナルも30日、京都市の錦市場近くで6月1日に開業する「ASAI(アサイ)京都四条」(同市下京区、全114室)を公開した。同社の日本初進出ホテルで、急回復する東南アジアからのインバウンド取り込みを目指す。同社は9月にもJR京都駅近くに旗艦ブランド「デュシタニ京都」を出店する計画。タイでの知名度の高さを武器に大阪や東京などでもホテル展開を検討する。
関西ではこのほか、タイのホテル大手センタラホテルズ&リゾーツが7月に大阪市に出店、シンガポールのカペラホテルグループが約2年後に同市の大阪城公園近くで「パティーナ大阪」を開業予定で、日本初のブランドが増えている。(田村慶子)