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浦安市日の出の東京ベイ東急ホテルは、機内空間を表現した客室「ウイングルーム」を改装オープンした。日本航空(JAL)の航空機廃材を再利用して昨年春から1年間提供してきた客室に、機内からの景色を映すディスプレーを新たに設置するなど、五感に訴える工夫をいっそう施した。(大和太郎)
ウイングルームは昨年4月の提供開始以来、好評を博し、今回の改装では、臨場感などをアップさせた。室内に置く実物のシートは、エコノミーシートから国内線のファーストクラスで実際に使われたシートに替えた。新設されたディスプレーで機内からの景色を楽しめるほか、室内にはエンジン音などが流れ、特製の機内食を味わうこともできる。
こうした客室の提供を始めるきっかけとなったのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。東京ディズニーリゾート(TDR)の休園に伴う利用客の減少に直面するなか、新たな客層の開拓を狙い、JALと協業した。
ウイングルームは、通常の客室よりも割高ながら、年間稼働率は6割以上に達した。宿泊客の95%がディズニー目的だったコロナ禍前とは異なる顧客の獲得にも成功し、今年1月には20%がTDRのチケットを持たない人に変化した。
コロナ禍で航空機での旅が難しくなったことも背景にしたウイングルームの提供は当初、今春までの予定だった。だが、新たなニーズを掘り起こせたことや、高齢者ら航空機の利用を敬遠する人がまだ一定程度いることから継続提供を決めた。JALの担当者は「本物の機内ではできないような撮影を楽しめ、ゆっくりとした時間を過ごせる」と、ウイングルームの魅力をPRしている。
ウイングルームは10階の1室限定で、来年3月31日までの提供を予定している。定員は2人で、料金は1泊2万円(税、サービス料込み)から。ホテル公式サイトで予約を受け付けている。