AIRDO23年3月期、3期ぶり黒字 旅客数コロナ前水準に
AIRDO(札幌市)が29日発表した2023年3月期の単独決算は、最終損益が42億円の黒字(前の期は23億円の赤字)だった。国の観光支援策「全国旅行支援」などの影響で旺盛となった国内旅行需要を取り込み、新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さかった20年3月期以来3期ぶりに黒字転換を果たした。
売上高にあたる営業収入は前の期比52%増の415億円だった。共同運航(コードシェア)先である全日本空輸(ANA)への座席販売分を除いた旅客数は76%増の約204万人で、コロナ前の19年3月期並みの水準だ。利用率も向上している。通期では69.7%で、22年8月以降は23年1月を除いて単月の利用率が7割超と高水準を保った。
営業損益は26億円の黒字(前の期は47億円の赤字)、経常損益は23億円の黒字(前の期は46億円の赤字)だった。原油価格の高騰や円安によって燃油費は上昇したが、22年10月に共同で持ち株会社のリージョナルプラスウイングス(東京・大田)を立ち上げたソラシドエア(宮崎市)との協業などを通じてコスト削減に努めた。
24年3月期の業績見通しは営業収入が前期比15%増の477億円、経常利益は37%減の15億円。需要回復は堅調に進むものの、燃油費などのコスト増が続き、全国旅行支援や租税負担の減免などといった公的支援が縮小する。AIRDOはソラシドエアと、主要拠点の羽田空港でカウンターの共用を今期中にも始めるなど、協業によるコスト削減を深掘りする。
リージョナルプラスウイングスの23年3月期連結決算は営業収入が595億円、純利益は17億円だった。会計ルール上、AIRDOの業績は22年10月〜23年3月分しか連結されていない。傘下2社の通期業績を単純合算すると、営業収入は802億円、純利益は49億円だ。
またAIRDOは29日、社長に北海道ガスの鈴木貴博常勤監査役(63)を充てる人事を正式発表した。6月の株主総会後の取締役会を経て就任する。鈴木氏はリージョナルプラスウイングスの会長にも就く。