大阪・関西万博へマイス誘致加速 大阪国際会議場・藤田社長

インタビューに答える大阪国際会議場の藤田正樹社長=大阪市(井上浩平撮影)
インタビューに答える大阪国際会議場の藤田正樹社長=大阪市(井上浩平撮影)

国際会議からコンサートまで、さまざまな用途に対応している大阪国際会議場(大阪市北区)の藤田正樹社長が産経新聞のインタビューに応じ、令和7年開催の大阪・関西万博に向け、「MICE(マイス)」と呼ばれる国際会議や展示会の誘致を加速させる考えを示した。立地する中之島エリアは、古くから大阪の経済、文化、行政の中心を担ってきた地域。国際会議場の利用者に土地の魅力を生かしたサービスを提供することでマイス開催を促す考えだ。

平成12年に開業した大阪国際会議場は、世界観光機関の総会や各種学会などの国際会議が開かれ、平成20年の北海道洞爺湖サミット(先進国首脳会議)では財務相会合の会場となった。ただ、令和元年のG20大阪サミット(20カ国・地域首脳会議)ではより規模の大きいインテックス大阪(同市住之江区)が主会場となり、近年は新型コロナウイルス禍もあってイベント誘致に苦戦している。

今年4月に社長に就任した藤田氏は「国際会議場をアジア有数の都市型マイス施設にすることが目標。海外から大阪への注目が高まり、国際交流も盛んになる万博を起爆剤とし、その地位を構築したい」と反転攻勢を強調した。

国際会議場は、大阪観光局や同じ中之島にあるリーガロイヤルホテルなどと連携し、マイス誘致の広報や営業活動を展開している。藤田氏は「国際会議場として、万博開催年に少なくとも70件以上の国際会議を開催する」と目標を掲げる。

誘致を加速するには「会議後の催しや懇親会が重要になる」と指摘。近くの大阪中之島美術館での特別な観覧や、地元素材を生かした食事の提供などのアイデアを明かし、「他地域との差別化を図るためにも、会議後の『夜』を楽しむ体験も提供したい」と述べた。

こうしたメニューを充実させることが中之島のブランド化にもつながるとし、「大阪IR(統合型リゾート施設)も念頭に、『水都』と呼ばれる土地の魅力を生かしながら、中之島が大阪の一等地になる都市計画をこのエリアの事業者で考えたい」とした。(井上浩平)

藤田正樹氏(ふじた・まさき)慶応大法学部卒。昭和54年大阪ガス入社。常務執行役員や顧問を務めた。オージス総研会長や大阪商工会議所議員、大阪・関西万博の大阪パビリオンのスーパーバイザーなどを歴任し、今年4月から現職。大阪市出身。

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