DMO設立を提言、札幌市の有識者会議 観光の司令塔に
札幌市の観光計画を検討する有識者会議は、市の観光を推進する組織として観光地域づくり法人(DMO)の設立を秋元克広市長に提言した。有識者会議の委員長を務める北海道大学の遠藤正客員教授は「宿泊や輸送、飲食など様々な事業者を取りまとめる観光の司令塔が必要」と指摘した。
具体的な組織の概要や設立時期は未定だが、北海道新幹線の札幌延伸や中心部での再開発といった機会を活用するためには2030年までにDMOが機能し効果が出ている必要があると示した。データの収集や分析による観光マーケティングや人材育成といった受け入れ体制の整備を視野に入れる。
財源に札幌市が議論を再開した宿泊税を充てることも検討するとした。
DMOは国が定めた制度で支援を受けることができる。道内では23年3月末時点で20の組織が登録している。道内全域をカバーする北海道観光振興機構や北海道旭川市を中心とした1市7町で構成する大雪カムイミンタラDMO、スノーリゾートニセコのある倶知安町の倶知安観光協会がある。