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熊本地震で被災した国特別史跡の熊本城(熊本市中央区)について、熊本市は、昨年度の来場者数が100万2978人になったと明らかにした。100万人を上回るのは7年ぶりで、地震後では初めて。前年度の2倍以上に増えており、新型コロナウイルスの影響が和らぎ、訪日外国人客の受け入れ再開なども影響したとみられる。(内村大作)
市熊本城総合事務所によると、2015年度には177万人を超えた熊本城の有料エリアの来場者は、地震後に入場が規制された影響で17、18年度はゼロになった。19年10月に外部の見学が再開され、同年度は45日間で18万人が訪れた。
20、21年度は新型コロナの影響でそれぞれ数か月休園したため、20年度は約31万人、6月に天守閣内部の公開が始まった21年度も約44万人にとどまっていた。
しかし、22年度は休園期間がなく、年度末の3月には桜の時期に合わせて海外も含めた観光客が増えたこともあり、1か月間で約14万人が訪れた。
熊本城の復旧完了時期は当初予定より15年延び、52年度が見込まれる。同事務所は「今年度もさらに来場者が増えると期待している。天守閣の公開で復旧は終わったと思われている面もあるが、まだまだこれから。何度でも足を運んで、熊本城が復旧していく様子を多くの人に見てもらいたい」としている。
大型連休、連日1万人超え
熊本城には、大型連休中も大勢の観光客が訪れている。有料エリアの来場者数は3~5日に連日1万人を超え、外国人観光客の姿も目立った。
晴天に恵まれた5日朝は南口、北口とも、大勢の観光客が午前9時のオープンを待ち、南口では「おもてなし武将隊」の口上に合わせて開門されると、次々に入場した。武将隊のメンバーは見学通路や広場で、飯田丸五階
天守閣内部の見学も混み合い、広場には順番待ちの列ができたほか、近くの観光交流施設「桜の馬場 城彩苑」もにぎわっていた。
熊本地震の前に訪れたことがあるという佐賀県吉野ヶ里町の男性(66)は、石垣や塀が崩れた様子を見て「復旧したと聞いていたが、まだまだ寂しい状況。復興が進む様子をまた見に来たい」と話していた。