中国、大型連休で「リベンジ消費」

29日、労働節(メーデー)に伴う大型連休が始まり観光客でにぎわう北京市内の観光地・前門地区(三塚聖平撮影)
29日、労働節(メーデー)に伴う大型連休が始まり観光客でにぎわう北京市内の観光地・前門地区(三塚聖平撮影)

【北京=三塚聖平】中国で29日、労働節(メーデー)に伴う大型連休が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策が終わったことを受け、多くの人が旅行に出る「リベンジ消費」が予想される。中国メディアは、連休期間中に延べ2億4000万人超が旅行に出るとの予測を伝えており、コロナ禍前の水準に戻るとみられる。

連休は5月3日までの5日間。鉄道は4月27日から5月4日までの特別輸送期間中に延べ1億2000万人の旅客数を見込む。コロナ禍前の2019年の連休期間と比べて2割増だ。

連休初日の29日、北京市中心部の観光地・前門地区は多くの観光客で混雑していた。中国の旅行会社で働く女性(34)は「問い合わせをひっきりなしに受けている。過去3年間のコロナ禍で抑圧された人々が旅行に出ている」と話す。

航空券などを購入できずに旅行を諦める人も多い。北京の保険会社に勤める女性(42)は「遠距離旅行をやめ、北京近郊で遊ぶことにした」と語った。

中国政府は29日、新型コロナ対策として入国者に求めてきたPCR検査を撤廃し、出発前48時間以内の抗原検査に切り替えた。制限の緩和を受けて海外旅行に出る人も多く、国家移民管理局の推計では連休期間中の出入境者数は、1日当たり平均延べ約120万人と昨年を大きく上回る。

中国政府は海外への団体旅行の解禁対象国を徐々に拡大しているが、日本はまだ対象外。ただ、富裕層を中心に個人旅行で訪日する中国人は連休期間中に増えるとみられる。

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