秩父の旅行者　大半が1カ所訪問、周遊せず　スマホ位置情報分析

　埼玉県・秩父地域への旅行者の3分の2は、観光地を1カ所しか回らない――。スマートフォンの位置情報からこんな分析結果が出たことが、秩父地域おもてなし観光公社への取材でわかった。同公社は、滞在時間を長くする取り組みを強化する必要があると受け止めている。【山田研】

　調査は、同公社の委託で、コンサルティング会社「ワールド・ビジネス・アソシエイツ」（東京都）が実施した。米国の人流ビッグデータ提供会社「Near（ニア）」による個人を特定しないスマホの位置情報把握にあらかじめ同意した人が対象。このうち2022年1月1日～12月31日、秩父市と横瀬・皆野・長瀞・小鹿野の4町内で17カ所設定した観光スポットと「秩父夜祭」など3行事会場で得た周遊状況を分析した。

　夜間に把握された位置から1市4町以外での滞在が多い人を「旅行者」とした。同一の人が同じ地点で何回把握されても「1カ所」と数えた。一方、同じ人物が22年中の異なる日に別の地点に行けば周遊した扱いになる。