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ブルガリがホテルを持つ理由「ブランドのショーケース」

NIKKEI The STYLE

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高級宝飾ブランド「ブルガリ」がブランド名を冠したホテルの出店を増やしている。4日には東京・八重洲に世界で8つ目となる「ブルガリホテル東京」を開業した。日本では初出店だ。客室は全部で98室あり、1泊25万円から。ブルガリグループの副社長で、ホテル部門の責任者を務めるシルヴィオ・ウルシーニ氏は日本経済新聞の取材に「ホテルはブランドのショーケース」と話し、今後15都市程度まで拡大する方針を明らかにした。主なやりとりは以下の通り。

――東京に続き、ローマや米マイアミ、ロサンゼルスなどへのオープンも決まっています。出店戦略について教えてください。

「国際的な都市であること、富裕層の市場があること。ブルガリホテルが進出する場所を決める時、この2つが欠かせない条件だ。さらに、その都市の中でもロケーションが重要になる。たとえば米ニューヨークへの出店はずっと検討しているが、これだ!と思える物件にまだ出会えていない」

「『ブルガリホテル東京』は東京駅の目の前のビル(東京ミッドタウン八重洲)の最上部(40〜45階)にある。新幹線で京都などに向かうゲストが多いことを考えると、最高の立地だが、これがビルの低層部分だったら、進出していなかっただろう」

「ホテルを開業する場所にはとても強いこだわりがあり、適切な場所と機会を探っている。今回の東京で8つ目のブルガリホテルとなる。これから15程度までは増やしていく方針だ」

――ブルガリのビジネス全体におけるホテル業の役割とは。

「売り上げ的には非常に小さいものだ。ホテルを100軒運営するホテル業者になりたいわけではない。我々の主たるビジネスはあくまでジュエリーであり、時計や革製品、香水などもある。それらに比べると売り上げは非常に小さいが、ホテルはブランドのイメージを提示するショーケースだと考えている。その意味では、ホテル業がブランド全体に果たす役割は非常に大きい」

「顧客との接点を持ちたいブランドにとって、ホテルのような場所を持てるのは本当に貴重な機会だ。他のラグジュアリーブランドでも同様の試みをしているところはあるが、あまりうまくいっていない。ブルガリのジュエリーの顧客がホテルのゲストとなり、またその逆もある。良い循環が生まれている」

「ゲストからリクエストがあれば、ホテルの部屋でジュエリーを購入してもらうようなことも可能だろう。日本の場合は銀座の店舗まで車で5分程度なので必要ないが、ドバイや上海のホテルでは、ホテル内にジュエリーショップも併設している」

――「ブルガリホテル東京」の特徴を教えてください。

「このホテルはイタリアのデザインに、日本の職人芸によるディテールが詰め込まれている。職人たちが塗り重ねたマットゴールドに輝くスイートルームの天井や、部屋に用意された日本茶のセット、美しい手編みの籠など、たくさん見ていただきたいものがある」

「日本の職人たちの完璧な仕上がりに対する責任ある態度に心を打たれた。開業準備がコロナ禍と重なり、日本に来ることが難しかったため、職人たちとはビデオ会議で話すしかなかったが、最後は一言『信頼しているので、正しいと思うことをやってください』と言うだけでよかった。期待を上回る仕上がりだ」

――最高級の客室「ブルガリスイート」の室内にはジムもキッチンもあります。どのような方が利用するのでしょう。

「『ブルガリスイート』は単なるホテルの部屋以上のものだ。人を呼んでミーティングをしたり、キッチンにシェフを呼んで大勢で食事を楽しめたりする。経営者やセレブリティーはパーソナルなスペースを求めていて、違う人生を生きている。ただ寝る場所、というホテルとは違う概念だと思ってもらいたい」

――外国人観光客にとって、東京はどのような都市でしょうか。

「その美しさから、ますます人気が高まっている。安全だし、アートがあり、自然があり、食事がおいしく、ショッピングも楽しめる。しかし、もっとポテンシャルがあると思う。飛行機の便数とホテルがもっと増えれば、まだまだ多くの人が来るようになるだろう」

「多くの外国人旅行者は東京だけでなく、京都、奈良、鎌倉などをたずねる。その意味でも、東京駅前という立地はブルガリホテル東京の大きな強みとなる」

――コロナ禍を経て、旅行に求めるものやホテルはどう変わったでしょうか。

「ある意味では変わったと思う。人々はもっと旅行をしたいと感じている。人生は短い、何が起きるかわからないと痛感し、人生を楽しもうとしている。旅行マーケット全体が非常に活気づいている」

「ホテルにとってコロナ禍は厳しい面もあったが、『ステイケーション』として地元のホテルに行くような新たな流れも生まれた。ミラノの人たちがミラノのブルガリホテルにやってきたのだ。これは今までになかったことで、非常に興味深い」

「従業員のモチベーションを維持するのが一番難しかった。デスクワークの仕事は家からでもできるだろうが、シェフやバーテンダー、ドアマンはどうしたらいいのだろう。レシピ動画を家から配信してもらうなど、いろいろな工夫をして、コミュニティー全体が一体感を持って危機を乗り越えることができた」

――今年は世界的な景気後退の可能性なども指摘されています。先行きをどう見ていますか。

「コロナ禍が落ち着いてきて、ホテルを再始動するにあたって、ドアマンを置かない、ルームサービスを減らすなど、サービスを落とすところもあったが、ブルガリではホテルを営業する限りはフルサービスを提供すると決めた。一番良くないのは苦しいからといって、製品やサービスの質を下げてしまうことで、それが後々問題になる。もし品質の低いものを作れば、顧客の信頼を失い、ブランド自体が下向いてしまう」

「経済はいつでも上がったり下がったりするもので、予想することはできない。ブルガリには140年の歴史があり、景気後退も大不況も戦争さえも乗り越えてきた。希少な価値があり、貴重で美しいものを職人芸で作り出す、という自分たちのバリューに忠実でいれば、危機を乗り越えた時、ブランドはいつも強くなると信じている」

(平野麻理子)

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