マカオのカジノ、数千のホテル客室が稼働できない状態－労働力不足で

マカオのカジノでは数千のホテル客室が稼働できない状態にあり、ハウスキーピングなどのゲストサービス削減を余儀なくされている。経済活動を再開した中国本土から観光客が急増しているものの、労働力不足で対応に苦慮している状況だ。

　　マカオの状況に詳しい複数の関係者が内部情報を理由に匿名でブルームバーグに語ったところによると、同地域のカジノにある５つ星ホテルの中には予約可能な客室が半数以下となっているところもある。

　　「マカオ責任あるゲーミング協会」の宋偉傑会長によると、別のホテルでは客室の約５分の１が稼働していない状況だ。サービススタッフの不足が深刻化しており、一部のホテルでは客室の清掃をチェックアウト後のみに行うなどサービスの頻度を減らしているという。

　　カジノ運営会社は重要な夏のシーズンまでに能力の限界近くまで自社のホテルの稼働率が回復すると期待しているが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限措置が解除された現在、経済全面再開に向けた大きなハードルはマカオの外国人労働者採用手続きに時間がかかることだと、宋氏は指摘した。

　　宋氏はインタビューで、「経済再開がこれほど迅速に進むと見込んでいなかったため、皆準備不足に陥っている」と指摘。「３年間の悲惨な時期を経て、今年は最高の年にしたいとわれわれは皆考えている。だが、顧客は戻ったものの、受け入れ態勢が十分ではない」と語った。

　　中国が新型コロナを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を解除したことで、2019年以来の旅行ブームが加速しているにもかかわらず、20年初め以降４万4000人余りの非マカオ籍従業員が同地を離れ、労働力不足に陥っている。マカオでは90％余りが中国本土と香港からの観光客だ。

原題：Macau Casinos Shut Thousands of Hotel Rooms in Labor Crunch (1)（抜粋）