小田急電鉄、大卒初任給10%増 総合職23万6600円に
小田急電鉄は3日、2023年度の大卒総合職の初任給を22年度比10%増の23万6600円に引き上げると発表した。高卒専門職は12.9%増の20万1100円とする。新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた旅客需要が回復する中、待遇改善で優秀な人材の確保を目指す。
初任給のほか、一般従業員の賃金を月額平均1万4000円程度(約4.5%)引き上げる。増加幅は約30年ぶりの水準で、10〜30代半ばの社員では最大13%ほど賃上げする。
同日、特急ロマンスカー「VSE」で入社式を開いた。東京・世田谷の電車基地と新宿駅間を運行し、新入社員34人が乗車した。総合職で入社した木村未来さん(23)は「リモートワークの普及などで空間の価値は変容している。地域ごとにアプローチを変えながら沿線の街づくりに関わりたい」と意気込んだ。
05年に導入されたVSEは乳白色の外観が特徴で、前方の展望席など風景を楽しめる観光列車として親しまれてきた。車両の経年劣化が進んだため22年3月に定期運行を終えた。現在はイベントなどの臨時運行に限定しており、今年秋ごろに引退する。