訪日客の3人に1人は韓国人 不買運動もう終わり?

日本製品の不買運動を訴えるイベントで壊された日本車=韓国・仁川(聯合=共同)
日本製品の不買運動を訴えるイベントで壊された日本車=韓国・仁川(聯合=共同)

政府は1日、中国からの渡航者を対象とした水際対策を緩和したが、中国は日本への団体旅行制限を続けており、中国人観光客の回復はまだ見通せない。一方、一足先に急激な回復を見せているのが韓国人観光客だ。政府観光局(JNTO)の統計では、1月の全訪日客の3人に1人が韓国人で訪日客数を牽引。日本による朝鮮半島統治からの独立運動記念日「3・1節」である3月1日も多くの人々が来日しており、2019年夏から続いた日本製品の不買運動は姿を消しつつある。

「(日本の)有名観光地に行けば、そこが韓国なのか、日本なのか、区別もできない」

韓国のインターネット掲示板では、韓国人観光客が日本に殺到している様子を皮肉るような書き込みが並ぶ。その一方で「日本に行きたい」と、堂々と訴える書き込みが多くみられる。

韓国メディアによると、複数の韓国の格安航空会社で、2月25日~3月1日の韓国発日本行き航空券の平均予約率は9割超に達した。日本が旅行先として人気の理由には、近くて円安であることなどを挙げた。

3・1節は韓国の祝日だが、同国では1年間で最も反日意識が高まる日とされるだけに、驚きをもって報じられている。

JNTOによると、日本が水際対策を大幅緩和した昨年10月、来日した韓国人は約12万3千人。その後も着実に増え続け、今年1月には全訪日客約149万7千人のうち、韓国人は約56万5千人と3分の1程度を占めた。2位の台湾(約25万9千人)を2倍以上突き放しての首位となった。

韓国では19年夏から日本政府による韓国向け輸出管理の厳格化に反発した日本製品の不買運動が活発化。しかし、新型コロナウイルス禍を経て日本旅行が人気を集めているほか、最近では韓国国内で公開された日本映画が空前のヒットを飛ばしている。

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