シンガポール航空、純利益7.4倍 22年10〜12月
【シンガポール=谷繭子】シンガポール航空が21日発表した2022年10〜12月期のグループ連結決算は、純利益が6億2800万シンガポールドル(約630億円)と、前年同期の7.4倍だった。各国が新型コロナウイルスの制限緩和に動いたことで旅客需要が戻り、グループの格安航空スクートとともに好調だった。
売上高は同2.1倍の48億4600万シンガポールドル、営業利益は7億5500万シンガポールドルと、いずれも四半期ベースで過去最高を記録した。
各国政府が水際対策を緩和したことで需要が伸び、シンガポール航空も増便を実施。昨年12月時点のグループの輸送能力は、コロナ前(2020年1月)の80%まで回復した。昨年10〜12月の座席稼働率は87.4%だった。
コロナ前の主要市場だった中国では当局が1月にゼロコロナ政策を終了した。このため、同社は23年1〜3月期も引き続き旅客需要が伸びるとみている。事前予約は出張・観光ともに好調だという。
ただ景気悪化への懸念が高まるなか、製造業の在庫調整で貨物部門の需要は「逆風にさらされる」とした。旅客部門でも他社が増便を急いでおり、今後は「競争が激化しそうだ」としている。
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