USJ パート・アルバイトの時給平均7%引き上げ 人材確保へ各業種でも時給アップの動き

パート・アルバイトの時給引き上げを決めたUSJ=大阪市此花区
パート・アルバイトの時給引き上げを決めたUSJ=大阪市此花区

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は20日、パート・アルバイト従業員の時給や手当を3月から平均7%引き上げると発表した。歴史的な物価高で大企業を中心に正社員の給与引き上げが相次いでいるが、人材確保のためにパートやアルバイト従業員の賃金引き上げの動きが出始めている。

USJによると、パーク運営に携わっている約1万人のパート・アルバイト従業員を対象に、3月1日から時給と手当を増額する。同社は「クルーの採用・定着化をより一層促進する」としており、月間支給額は平均7%の増額となる。これにより最低時給は1100円から1160円に引き上げられ、時給は1160円~1690円になる。

新型コロナウイルス禍の水際対策緩和による訪日外国人客(インバウンド)の増加などで観光・レジャー業界は人手不足となっていることもあり、担当者は「採用が厳しい現状で、安心して働ける場所として選んでもらうための対応」としている。

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドも4月からパート・アルバイト従業員の時給を一律80円引き上げる。同社は昨年4月にも引き上げを実施しており、今回の改定によって時給は1140円~1530円になる見通し。

イオンも国内のグループ企業で働く約40万人のパート従業員の時給を平均7%引き上げる方針を示している。平均時給は約千円なので70円ほど上がるとみられる。健康食品メーカーのわかさ生活(京都市)は「同じ会社で働く仲間として、差を付けることはしない」として、正社員の給与引き上げに合わせてパート従業員の時給200円アップを発表している。

 就職情報会社マイナビ(東京)によると、パート・アルバイトの1月の全国平均時給は1175円で、前年同月比4・3%増。担当者は「物価高騰や、最低賃金が2年連続過去最高の上げ幅となったことから、企業も時給を積極的に上げて人材確保に動いている」と分析する。働き手の不足が顕在化しており、第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストは「企業はアルバイトなど非正規労働者の待遇に配慮しなければならない状況になっている」と指摘した。(桑島浩任、田村慶子)

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