恐竜モニュメントを置き、「恐竜王国」をアピールしている福井市観光交流センター屋上のスペース=2月17日、福井県福井市のJR福井駅新幹線駅

 福井県福井市がJR福井駅新幹線駅舎東側に整備していた市観光交流センターが完成し2月17日、報道陣に公開された。観光案内所をはじめ吹き抜けの階段広場やカフェスペースを設け、ガラス張りの明るく開放的な空間が広がる。10月に部分開業し、新幹線駅舎と合わせ2024年3月ごろに全面オープンする。

 案内所は現在のハピリン横から機能を移転し、県全域の観光情報を発信していく。新幹線口となる駅東口にはえちぜん鉄道福井駅舎や高速バスの乗降口があり、県立恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡など県内主要観光地への発着拠点としての機能を担う。

⇒【写真】センター内に設けられた階段広場

 同センターは、新幹線駅舎の東側に張り出す拡張施設として2017年度から市が整備事業に着手。高さ約10メートルの鉄骨2階建て、延べ床面積約1600平方メートル。概算事業費は約13億1千万円。外壁は一面ガラス張りで、内装には県産スギ材が多く使われている。今年1月末に完成した。

 1階は、幅約30メートルの吹き抜けの広場(約455平方メートル)が新幹線駅舎のコンコースとつながり、福井駅の東西を結ぶメイン通路となる。広場横には100人近くが座れる13段の階段広場(約90平方メートル)がある。

 1階には観光案内所のほか、新幹線改札に面した待合スペース、レンタサイクル置き場、トイレがある。2階はカフェや展示・交流スペース(約300平方メートル)を設けた。

 新幹線の車窓と同じ高さの屋上(約610平方メートル)には、大小9体の恐竜モニュメントを設置。奥越の山々や隣接するえちぜん鉄道駅舎の車両を望むことができる。

 1階広場や2階の展示・交流スペース、屋上の一部は貸し出しエリアとし、ミニコンサートや市民活動の展示、屋上ビアガーデンなどの利用を想定している。市の第三セクター「まちづくり福井」が指定管理者となり、施設の管理や貸しスペースの窓口を担う。

 市新幹線整備課の担当者は「新幹線利用者だけでなく、通勤通学者らが気軽に使ってもらえる施設になれば」と話している。

 10月には待合スペース、カフェ、屋上などが部分開業し、階段広場や観光案内所を含む全面オープンは来年3月ごろの予定。ハピリンなどで新幹線開業1年前イベントが開かれる3月25日に同センターを一般公開する。