エアバスとカタール航空、A350巡る係争で和解 大型受注が復活

エアバスとカタール航空、A350巡る係争で和解 大型受注が復活
 2月1日、欧州の航空機大手エアバスとカタール航空は、長距離ジェット機「A350」の安全性を巡る係争で和解したと発表した。写真はカタール航空のために作られながら納入されていなかった「A350」。フランスのシャトールーで昨年9月撮影(2023年 ロイター/Tim Hepher)
[パリ 1日 ロイター] - 欧州の航空機大手エアバスとカタール航空は1日、長距離ジェット機「A350」の安全性を巡る係争で和解したと発表した。
カタール航空が撤回していた23機のA350と50機の小型機「A321neo」の発注は、和解により復活した。ただA321neoの納入は当初予定よりも3年先の2026年となる。A350の納入は今年再開する。
エアバスの広報によると、同社は修理を進めるとともに、運航停止となっている30機のA350について規制当局と協力しながら運航を再開する最善の手法を見つけていく。
カタール航空は当初、A350の塗装が劣化して落雷対策に問題が生じていると指摘。正式な修理とさらなる分析を求めていた。これに対しエアバスは、品質の劣化は認めたものの、安全性には問題はないと主張した上、カタール航空が損害賠償を請求するため、品質の劣化を過大に問題視していると非難した。
両社の主張が食い違う中、カタール航空はエアバスへの数十億ドル分の発注を撤回。両社はそれぞれ、損害賠償を求めて提訴する事態となっていたが、これらの係争が「友好的かつ相互に合意できる決着」により終結した。
和解の金銭的条件は公表されていない。専門家は、カタール航空が求めていた損害賠償額10億ドルの一部をエアバスが支払う条項が盛り込まれている可能性があると話している。

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