ドバイ、30%の酒税を停止 観光振興狙う
【カイロ=久門武史】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国は1日、30%の酒税を停止した。個人が酒類を購入するために必要とされるライセンスの取得も無料にした。飲酒を好む外国人にとっての魅力を高め、中東の観光・ビジネス拠点として競争力を高める狙いがある。
AP通信によると今回の措置はドバイの酒類販売業大手2社が明らかにしたが、ドバイ当局はコメントしていない。1年間の試験的措置との報道がある。
UAEは主要産油国だがドバイは石油に恵まれず、観光業は経済の柱だ。ドバイが本拠のエミレーツ航空が数多くの国・地域に就航し、物流や金融、商業、国際的イベントでも中東のハブとして成長してきた。
周辺国ではドバイの成功に追随しようとする動きが出ている。隣国サウジアラビアは紅海沿岸などの観光振興に力を入れ、カタールは2022年のサッカーワールドカップ(W杯)の開催国として多数の観戦客を受け入れた。
イスラム教を厳格に解釈するサウジは飲酒を禁じ、カタールはW杯観戦客向けのビール販売の禁止が話題になった。ドバイは比較的寛容で特定の飲食店などで飲酒でき、海外の観光客を集める強みになっている。