人気のグランピング施設、自治体が数を把握できず…申請不要で「法的な位置づけなし」
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コロナ禍で人気が高まった屋外レジャーのグランピングを巡り、自治体が宿泊施設の数などを把握しきれなくなっている。テントなどが建築基準法の「建築物」に該当しない場合、事業者が同法に基づく申請をしなくてもよいためだ。土砂災害リスクのある場所にテントが新設された事例もある。再発を防ぐため、山梨県富士河口湖町は独自の届け出制度を導入し、来月から運用する。

一般社団法人「日本グランピング協会」(東京)によると、グランピングは「3密」を避けられるとしてコロナ禍で注目された。施設は全国的に増えているという。ただ、国土交通省は「グランピング施設には法的な位置づけがない」としており、施設数などの全国的な統計はない。
読売新聞が首都圏の1都7県に取材したところ、いずれも施設の数や設置場所を正確に把握できていなかった。テントなど一部の施設で、同法の建築物に当たらない事例があるためだ。山梨県は「建築物でない場合、事業者から都道府県などへの申請は不要で、自治体側は把握が難しくなる」としている。
同法は建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの」と定めている。これに対して、幕が簡単に外せるテントもある。茨城、栃木、山梨の3県は取材に、「屋根にあたる幕が容易に外せるため、建築物に該当しないと判断したことがある」と回答。この3県に千葉と埼玉を加えた5県は、「屋根の付け外しは判断の目安の一つ」と説明する。