ユナイテッド航空、中型機「787」を最大200機発注
【ヒューストン=花房良祐】米航空大手ユナイテッド航空は13日、米航空機大手ボーイング製の中型機「787」を最大200機発注したと発表した。米国の航空会社による中大型機の発注機数としては過去最大という。新型コロナウイルス禍から旅行需要が回復するなか、機材の更新を進めて温暖化ガスの削減や燃費改善につなげる。
100機は発注が確定し、100機はオプションとなる。2024~32年に受け取り、老朽化した中型機「767」や大型機「777」を置き換える。「787」は炭素繊維を採用して軽量化し、燃費性能が高い。ユナイテッドの長距離路線は大半が「787」となる見通しだ。機材更新で30年までに温暖化ガスの排出量も1座席あたり25%削減する。
小型機「737MAX」も44機発注のオプションを行使するうえ、56機を追加発注した。合計100機を28年までに受け取る。
欧州エアバスへの発注分も合わせるとユナイテッドは32年まで700機を受け取る予定。24年は毎週3機のハイペースで納入が続く。22~23年は計約3万人を採用し、設備投資額は23~24年に計約200億ドルを投じる。
ユナイテッドの大量発注は航空業界が新型コロナウイルス禍の最悪期を脱したことを示す。中国の航空市場はロックダウン(都市封鎖)で依然として低調だが、米国の国内線はすでに新型コロナウイルス禍前の水準に回復している。スコット・カービー最高経営責任者(CEO)は「発注により(航空業界での)リードを固める」とコメントした。
「787」については、三菱重工業など日本企業が機体の約3割の部品を供給しており、業績への寄与は大きい。胴体の接合部分に問題があるなどとして20年から納入が大幅に遅れていたが、22年8月から納入を本格再開した。
ボーイングも11月、23年に「787」を70~80機納入する計画を公表した。25~26年も年120機のペースで生産する。