タイ航空とシンガポール航空が業務提携、初の共同運航へ
【バンコク=村松洋兵】タイ国際航空とシンガポール航空は2日、戦略的業務提携を結んだと発表した。両社として初めて共同運航を実施する。同じ航空連合に加盟するがライバル関係にあり、これまで共同運航をしていなかった。コストを抑えながら路線網や運航頻度を拡充し、新型コロナウイルス後の旅行需要の回復に対応する。
まずバンコク―シンガポール線で共同運航を始める。関係当局の承認を得たうえで、2023年1~3月期中にシンガポール航空が運航するシンガポール発着の北米、南アフリカ路線をタイ航空との共同運航にする計画だ。欧州線やインド線などでも共同運航を検討する。
両社は新型コロナの感染拡大後に路線数を削減したが、各国の入国制限の緩和で旅行需要が急速に回復している。共同運航はコストを分担しながら路線網を広げられる利点がある。両社で航空券を販売することで集客力が高まり、座席利用率の向上も見込める。
タイ航空とシンガポール航空は同じ航空連合「スターアライアンス」に加盟しているが、東南アジアの主要航空会社として競合している。両社とも同航空連合に参加する全日本空輸などとは共同運航してきたが、両社同士では避けてきた。
シンガポール航空のゴー・チュン・ポン最高経営責任者(CEO)は「今回の提携は両社のハブ空港の成長を支援し、顧客へのサービスを強化する機会となる」とコメントした。タイ航空のスワンタナCEO代行は「マイレージプログラムやラウンジの利用など様々なサービスで顧客に恩恵をもたらす」と強調した。
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