JAL、フィンランド社から再生燃料調達
日本航空(JAL)は7日、持続可能な航空燃料(SAF)製造大手のネステ(フィンランド)からSAFを調達すると発表した。ネステのSAFを11月中に米ロサンゼルス国際空港でJALの定期便1便に使用し、同月18日には羽田空港で国内線のチャーター便にも給油する。今後、同社の日本地区総代理店である伊藤忠商事を交えて安定調達に向けた協議を進める。
ロサンゼルスでの調達分は現地発日本行きの1便に使用する想定。日本では18日に羽田発那覇行きのチャーター便で使うほか、他の便での使用も検討する。2023年度のSAF調達に向けた協議を行う覚書も伊藤忠と結んだ。
ネステは廃食油や動物性油脂などを原料として年間約10万トンのSAFを製造している。23年3月までにシンガポールでSAFの大規模製造施設を稼働させる予定で、JALは国内外での調達規模拡大を目指す。
18日に運航するチャーター便は二酸化炭素(CO2)排出が実質ゼロのモデル運航と位置づける。SAFのほか、運航によるCO2排出を森林事業などへの投資で相殺する「カーボンオフセット」の仕組みなどを活用する。
JALは50年にCO2排出量を実質ゼロにする方針で、25年度に燃料の1%、30年度に10%をSAFに置き換える目標を掲げている。これまでに米国のジーボ社(コロラド州)やアメティス社(カリフォルニア州)ともSAFの調達契約を結んだ。脱炭素に向けSAFの調達先の確保を急いでいる。