南紀白浜空港の利用客数が最高 4~9月の半年

4~9月の利用客数が今年、過去最高となった南紀白浜空港=和歌山県白浜町
4~9月の利用客数が今年、過去最高となった南紀白浜空港=和歌山県白浜町

東京の羽田空港と結ぶ南紀白浜空港(和歌山県白浜町)の今年4~9月半年間の利用客数が、過去の同期間と比べると、昭和43年の開業以来、最高に達したことが県のまとめでわかった。コロナ禍が依然残る状況の中で、地方空港としては異例の勢いという。今春以降、コロナ禍に伴う行動制限がなくなったことや、機体の大型化も背景にあるが、関係者は観光やビジネスでの利用など複数の要因が関係しているとみる。

県によると、今年4~9月の利用客数は10万9816人で、同じ期間でこれまで最高だった令和元(平成31)年の9万542人を上回った。

今年の各月の利用客数もいずれも過去最多となった。特に台風の直撃を免れた8月はこれまで最も多かった平成14年(1万7910人)の40%増となる2万5105人に達した。

年度別(4月~翌年3月)でみると、利用客数の最高は元年度の17万7135人。今年度は半年で元年度の6割を超えており、最高値を更新する可能性があるが、達成できるかどうかは利用客が減る傾向にある冬季の動向にかかっている。

南紀白浜空港は原則、旅客機が羽田との間を3往復している。機体は段階的に大型化しており、令和元~2年に、95席から3往復とも165席に拡大した。

県港湾空港振興課の担当者は、こうした機体大型化や、今春以降、全国でコロナ禍にともなう行動制限がなくなったことが空港利用客増加につながったとしている。

南紀白浜空港を運営する南紀白浜エアポートの岡田信一郎社長は「全国の地方空港でこれだけ増えているのは異例。(働きながら休暇をとる)ワーケーションを含むビジネスや観光など複数の要因がある」と指摘。その上で「来た人の満足度は高く、リピーターになり、次は家族や友人を連れて来ている」と分析している。

ただ令和元年(1~12月)の町内観光客は約345万人に達しているが、元年度の空港利用客はこの数値の5%に過ぎない。空港を使う観光客は首都圏在住者が多いとみられ、井澗(いたに)誠町長は「白浜は首都圏の知名度がまだまだ低いので、伸ばしていきたい。首都圏のお客さんが増えれば(羽田と結ぶ旅客機が)1日4往復となる可能性も出てくる」と話している。(張英壽)

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