関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港のあり方を官民で議論する「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が18日、大阪市内で開かれ、令和12(2030)年をめどに神戸空港(神戸市)に国際線を就航することで合意した。新型コロナウイルス禍の収束と2025年大阪・関西万博での訪日外国人観光客(インバウンド)増加をにらみ、関西全体で航空需要に対応する。
会合後の記者会見で、松本氏は「ワン関西、オール関西として、持てるものを活用し、関西経済を活性化させていく」と強調した。
平成18年に開港した神戸空港は、関空の国際線需要と競合しないよう国内線に特化して運用していた。その後、インバウンドの増加や30年9月の台風21号被害で関空が一時機能停止に陥ったことなどから、神戸国際化の議論が持ち上がっていた。
国際化は万博開催に合わせて国際チャーター便の就航から始め、段階的に進める。関空の需要動向を見極めながら、神戸の国際定期便の発着回数は1日40回を上限とした。国際化に向け、国際線ターミナル整備や空港アクセスの強化などの検討を進める。
この日の会合では、関空の年間発着回数の上限引き上げも合意。大阪万博が開催される令和7年度には現在の上限の23万回を上回るとの予測がある。上限を30万回に引き上げ、2030年代前半の達成を目指す。
3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長は記者会見で「世界と競争する際に3空港は非常に重要で、最大限に活用することが大事。準備段階だが(合意に至り)私自身はうれしい」などと述べた。