7月消費支出3.4%増、行動制限なく外食や宿泊など伸び
総務省が6日発表した7月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は28万5313円と、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.4%増加した。2カ月連続で前年を上回った。新型コロナウイルスの感染が拡大していたものの、まん延防止等重点措置などの行動制限がなかったことで旅行や外食が伸びた。
品目別では宿泊料や国内パック旅行費を含む「教養娯楽」が11.2%増えた。宿泊料は0.30ポイント、国内パック旅行費は0.29ポイント、消費支出全体を押し上げた。前年同月は東京都に緊急事態宣言が出るなど行動制限があった反動も大きい。
「交通・通信」も7.0%増加した。鉄道運賃が0.26ポイント、航空運賃が0.11ポイントのプラス寄与だった。
「食料」は1.3%減った。マグロなどの魚介類やトマトなどの生鮮野菜が落ち込んだ。外食が増えた半面、自宅で料理する機会が減った。全体として物価上昇による買い控えもあったとみられる。
エネルギー高を反映して「光熱・水道」は名目で12.3%増えた。実質では2.1%減った。
実質消費支出はコロナ前の2019年7月に比べると3.8%少ない。物価高が加速すれば、個人消費の回復ペースが一段と鈍る恐れもある。