世界遺産の島・宮島(奥)。訪問税は手前の宮島口フェリー旅客ターミナルなどで徴収する

 世界遺産の島・宮島(広島県廿日市市)を訪れる観光客から1100円を徴収する宮島訪問税について、廿日市市が徴収開始日を2023年10月1日に決めたことが30日、分かった。税収は島内の観光関連施設の整備などに充てる方針。今後1年余りかけて市民や観光客への周知を進める。

 計画によると、訪問税は来島者の9割が利用する対岸の宮島口フェリー旅客ターミナルで乗船券に上乗せして徴収する。税徴収に対応した券売機や自動改札機は23年10月までに整備する。宮島口以外から島に渡る観光客からは、船の運航事業者に委託して徴収する。

 宮島への来島者数は07年以降は新型コロナウイルス禍前まで年間300万~400万人台で推移しており、公衆トイレ不足やごみの増加など観光客の集中による影響「オーバーツーリズム」が課題となっていた。市はこうした問題に対応するため訪問税の導入を検討。昨年3月に市議会で税条例案を可決し、同年7月に総務相の同意を得た。