近江商人屋敷が研修・宿泊施設に 滋賀・東近江市

9月1日にオープンする「NIPPONIA 五個荘 近江商人の町」(東近江市提供)
9月1日にオープンする「NIPPONIA 五個荘 近江商人の町」(東近江市提供)

国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている滋賀県東近江市五個荘金堂地区の近江商人屋敷「外村宇兵衛(とのむらうへえ)邸」が、企業向けの研修ができる宿泊施設「NIPPONIA 五個荘 近江商人の町」として生まれ変わり、9月1日にオープンする。同市観光物産課の担当者は「文化財の活用により、市外からの誘客増や滞在時間を伸ばす好循環につながれば」と期待を寄せている。

築160年の近江商人屋敷の風格が漂うベッドルーム(東近江市提供)
築160年の近江商人屋敷の風格が漂うベッドルーム(東近江市提供)

外村宇兵衛家は呉服類の販売を中心に、東京、横浜、京都、福井などにまで商圏を拡大し、明治時代には全国長者番付に名を連ねる豪商となった。その広大な接客空間を有した築160年の主屋(おもや)は市指定文化財として保存されてきた。

蔵を利用したシアタールーム(東近江市提供)
蔵を利用したシアタールーム(東近江市提供)

そんな貴重な文化財を活用することで近江商人屋敷の町並みを残していこうと、市が約7900万円を投じて宿泊・研修施設にリニューアル。全国で古民家ホテルを展開する「株式会社NOTE」と東近江市が出資して設立した「株式会社いろは」が運営を担う。

主屋の2階はベッドルーム2部屋。1階の座敷は布団で最大10人が宿泊できる寝室や大人数での研修や勉強会が可能な空間に。防音性の高い蔵はシアタールームに改装した。「ビジネスをひと休みして、これからの商いを学ぶ宿。」がコンセプトで、いろはは「『三方よし』に代表される近江商人の商売哲学を体感し、これからのワークライフのあり方を見つめ直し機会を提供したい」としている。

宿泊は1棟貸しで最大10人まで利用できる。料金は8万円と1人当たり1万2千円が必要(いずれも税抜き)。予約などは「NIPPONIA 五個荘 近江商人の町」の公式サイトで受け付けている。

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