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訪日客数、受け入れ再開後も足取り鈍い-6月は12万人と前月比減少

日本政府観光局(JNTO)が20日に発表した訪日外国人客数(推計値)は12万400人と、3カ月連続で10万人を超えたが、前の月を下回った。新型コロナ禍前の2019年との比較では95.8%減。再開した外国人観光客の受け入れも、添乗員付きパッケージツアーに限定するなど欧米に比べ旅行条件はなお厳しく、訪日へのハードルは高い。

Once Overcrowded Kyoto Now Longs for Foreign Tourists
まだ人通りもまばらな京都市内の清水寺周辺(2022年6月)
Photographer: Kosuke Okahara/Bloomberg

  訪日客数の国別内訳ではベトナムがトップで2万2900人。中国が1万4700人、韓国が1万1200人と続く。中国では新型コロナウイルス感染症対策として現地政府の外交部から海外旅行自粛の指示が出されており、訪日ブーム時には旅行消費で最大の担い手だった中国人観光客は19年と比べ98.3%減の低水準にとどまっている。

  日本政府は6月10日から、コロナ禍で停止していた外国人観光客の受け入れを2年2カ月ぶりに再開した。しかし、6月の訪日客数は大型連休があった5月の14万7000人からは18%減った。19年に記録した年間の過去最高水準は約3188万人だった。

  国連世界観光機関(UNTWTO)の世界観光指標によると、22年1-3月の国際観光客到着数は前年同期比で約3倍に拡大。欧州では約4倍、米州では2倍以上となっており、日本の出遅れが顕著だ。

  JNTOでは6月の結果について、入国制限の影響が残っていることを指摘した上で、今後も各国の感染状況や出入国規制の変化、ウクライナ情勢による航空便への影響などに注視が必要としている。

2022年の訪日外客数の推移

6月は12万400人、5月から18%減少

出所:日本政府観光局

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