全国旅行支援の延期発表、コロナ再拡大受け 国交相「感染状況改善すれば速やかに実施」

全国旅行支援の開始延期を表明する斉藤鉄夫国交相=14日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
全国旅行支援の開始延期を表明する斉藤鉄夫国交相=14日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

斉藤鉄夫国土交通相は14日、7月前半の予定だった全国を対象とした新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」の開始を延期すると発表した。国内で新型コロナウイルス感染が再拡大していることを受けたもので、斉藤氏は「今後、感染状況の改善が見られれば速やかに実施する」と述べた。

この日、首相官邸で報道陣の取材に応じた斉藤氏は延期理由について、感染者数の急増やそれに伴う医療提供体制への影響を挙げ、「現在の状況は全国旅行支援を実施する状況にはないと判断した」と説明した。

全国旅行支援は都道府県を通じ、県内や隣県、地方ブロックへの旅行を割引する「県民割」を事実上拡大した支援策。全国旅行支援の実施に伴い、県民割の期限を7月14日宿泊分としていたが、延期を受けて8月末まで延長した。

斉藤氏は8月末以前に感染状況が改善すれば、県民割と全国旅行支援の併存もあり得るとの考えを強調。ただ、県民割の実施可否は都道府県が判断するため、今後の感染状況によっては割引を停止する動きが出てくることも予想される。

予定していた全国旅行支援では、どこへ行っても居住地にかかわらず割引を受けられる。旅行代金の割引率は40%。1人1泊当たり公共交通機関を利用した交通費込みの旅行商品は8千円、それ以外は5千円を割引の上限額とする。飲食や買い物などで使えるクーポン券は、週末の混雑抑制のため平日は3千円、休日は千円とした。お盆休みを除いて8月末まで実施する方針だった。

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