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現在、旅行会社にとっても有望な市場とされているのが、ウエディングとタイムシェア。ウエディングは挙式等を含む旅行金額が高額であり、コミッションが良い。タイムシェアはシニア層など時間に余裕があることから、滞在が比較的長期間となることで、現地側での消費額の向上にメリットがあると言われる。
ウエディングについては有望な成長が見込まれている。ワタベウエディングが発表する海外挙式動向調査の予測では、2000年の3万2000組超を境に、減少していた挙式組数が2003年を底に反転。2008年には2万7000組にまで回復する見通しを描いている(表2)。
では、現在の状況はどうか。結論から言うと、やや弱含みで推移している。昨年9月から今年8月の1年間の状況は前年比7.7%減の20万6626人。1月から8月までの比較では18.9%減の11万280人(表3)。ただし、表からも分かるとおり、ウエディングは4月から6月、10月から12月と山が2つある。今年は4月から6月については、コンベンションなどが多く開催されたことから、客室供給量が少なく手配に苦労したともいう。後半に巻き返しを期待、というところだろうか。
タイムシェアについては最近、ジャルパックがハワイへのロングステイ商品を設定。大手各社もこの市場への取組みは積極的だ。数値で見ると、2005年9月から今年8月までの1年間では9735人。ハワイへの日本人訪問者数が約120万人であるのに対し、市場全体のシェアとしては120分の1と非常に小さいが、伸び率は、70%増となっており、倍増する勢いだ(表4)。
ただし、残念ながら、市場規模が小さいためにこのタイムシェアの利用者による平均滞在日数の増加、消費額などへの影響は無いと見られる。例えば、1月から8月までのデータでの平均滞在日数は2005年が5.77日のところ、今年は5.67日となっている。これは訪問者数の減少の方が数値への影響を与えているためだが、期待できそうな公表値もある。例えば、JCBカードのハワイでの利用者数は7月末現在で前年比11.7%増、利用件数は18.5%増。これは、訪問者の多くがJCBのキャンペーンに誘導されたという点もあるが、数値からは、現金よりクレジットカード決済が便利な長期滞在者の利用増加も見込めるだろう。いずれにしろ、旅行会社にとってメリットの多いウエディング、現地にも経済効果の高いロングステイは今後も注目のマーケットだ。