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ナイアガラの滝の北東、オンタリオ湖のほとりにある「ナイアガラ・オン・ザ・レイク」は、アメリカ独立戦争の際に北に逃れてきたロイヤリスト(英国王党派)が礎を築いた街。イギリス領アッパーカナダ(オンタリオ州)の最初の首都もここに置かれていました。
19世紀後半以降は湖畔のリゾートタウンとなり、当時の伝統的な英国調の街並みが現在もなお残されています。特に古い建物に混じって、ジャムやクラフトショップなどのかわいらしいブティックが並ぶクイーンストリートは花があふれ、馬車が行き交い、いかにもロイヤリストタウンらしい瀟洒な空気に満ちています。
最近は、このナイアガラ・オン・ザ・レイクはワイナリーめぐりの拠点としても人気を集めています。ナイアガラ地方一帯は約60ヶ所のワイナリーが密集する、カナダ随一のワイン産地として知られ、特にこのナイアガラ・オン・ザ・レイク周辺に数多くのワイナリーが点在しています。緑あふれる田園風景の中でドライブを楽しみ、気が向くままに沿道にあるワイナリーを巡る。そして、ワインのテイスティングやブドウ畑を眺めながらの食事など、心地よい休日が過ごせる場所です。

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ナイアガラをはじめとするオンタリオ州のワインの生産は、1800年代、ヨーロッパからの移民によって初めてもたらされました。フランスやドイツ、イタリアなどのブドウ品種が持ち込まれ、独自の味が育まれてきました。1970年代にはイニスキリン社のアイスワインがボルドーの世界ワインエキスポで優勝し、世界的な注目を集めるようになりました。

ナイアガラ地方は、フランスのボルドーやバーガンディー地方とほぼ同じ緯度に位置しています。オンタリオ湖から吹く風がナイアガラの断層にぶつかって循環する温暖かつ適度な湿度を保った気候はブドウ作りに最適です。またナイアガラ地方の土壌には、石灰質が豊富に含まれているため、さわやかな酸味が際立ったワインが多いのも特徴です。
エリア一帯に60ヶ所近く点在するワイナリーでは、それぞれさまざまなブドウ品種のワインを生産しています。その品質は、オンタリオ州のVQA(Vintners Quality Alliance)というワインの品質管理組織の基準を元に厳しく管理、維持されています。
全体の生産量がまだ少なく、海外に輸出される量は限られていますが、ここには国際的なコンクールで高い評価を得ているワインが多数あります。ナイアガラのワイナリー巡りは、そんな日本では出会えない希少なワインにも出会える絶好のチャンスと言えるでしょう。

ワイン通の間でナイアガラを何よりも有名にしたのが、アイスワインの存在です。アイスワインは、熟したブドウをそのまま1月頃まで置いて凍ったものを収穫して作るデザートワイン。収穫は気温がマイナス8℃を下回った真夜中に行われすぐに圧搾されます。皮と水分、種は凍っているため、得られるのは糖度と酸味が凝縮した果汁のみ。できあがるのは、とろりとして甘く、そして絶妙な酸味をもつ逸品。同じブドウの量から通常の7分の1ほどの少量しか作ることができない、大変貴重なワインです。
冬に冷涼なナイアガラの気候は、このほか、わざと収穫を遅らせて糖度を高めて作るレイトハーベストと呼ばれるワインの生産にも適しており、比較的さっぱりとした甘みをもつこちらのワインも人気があります。

ナイアガラの滝は、オンタリオ州の南端、アメリカ国境を流れるナイアガラ川の中間地点にできた巨大瀑布です。馬蹄形をしたカナダ滝、まっすぐに落ちるアメリカ滝のふたつからなり、流れ落ちる水量は毎秒2832立方メートル。これは東京ドームを7分で一杯にしてしまうほどの膨大な量です。とりわけ幅670メートル、高さ54メートルのカナダ滝は迫力満点。その名前はかつてこの地の先住民が畏敬の念をこめてオンギアーラ(とどろく水)と呼んだことに由来しますが、辺りに雷のような轟音を響き渡らせ、膨大な量の水が落ちていく様はまさにその名のとおり圧巻です。
巨大な滝には驚くべき歴史や逸話がたくさん残されています。例えば、滝が誕生したのは最後の氷河期が終わり、氷が溶け始めた約1万2千年前のこと。溶け出した水がナイアガラ川となって流れ出し、深い断層をもつ巨大な滝を造形しました。しかしこの最初の滝は今ある位置からなんと13キロメートルも上流にありました。その後、膨大な量の水が断層の岸壁を1年に1メートルの割合で浸食し、現在の場所にまでゆっくりと移動してきました(現在は水量の調節などにより1年で2センチメートルの浸食に食い止められています)。
この巨大なナイアガラでは樽などに乗って滝下りに挑んだ「ディアデビル」といわれる命知らずの挑戦もあとを絶ちませんでした。最初の挑戦は1901年。なんと63歳のアニーさんという女性教師でした。以来15人が挑戦し、うち5名が命を落としています。もちろん現在では禁止されており、このような無謀な行為を敢行した人には罰金が課せられることになっています。

ナイアガラでは、ワインの収穫期などに、その味わいを存分に楽しむためのフェスティバルが開催されています。

中でも大きなフェスティバルは3つ。まずは秋の収穫期に行われる「ナイアガラ・ワイン・フェスティバル」(2008年9月19日〜28日)。ワイナリーを舞台にワインのテイスティングやディナーパーティー、コンサートなどのイベントが繰り広げられます。また、アイスワインの収穫期に行われる「アイスワイン・フェスティバル」(2008年1月18日〜2月3日)。新しくできたワインを祝う「ニュービンテージ・フェスティバル」(2008年6月14日〜22日)などいずれも華やかな雰囲気。これらのイベントに合わせて旅を計画するのもおすすめです。