「ワーケーション」推進へ1泊5000円補助 福岡市
福岡市は、国の観光支援事業「Go To トラベル」の対象から外れた、出張目的で市内に滞在する費用の一部を補助する事業を始める。余暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」ツアー企画で3泊以上滞在する旅行者に対し、1泊につき5千円を補助。新型コロナウイルスの感染拡大の状況次第だが、6月中旬からの実施を予定しており、市は事業に協力する企業・団体も募り、全市を挙げて「福岡型ワーケーション」の発信に取り組む。
市はツアーを企画する開発費として、旅行会社10社に対してそれぞれ50万円を助成。例えば、市内のホテルに滞在し、昼間はコワーキングスペース(共同利用型の仕事場)で仕事をし、夜はスポーツ観戦や屋台での飲食を楽しむなどの企画が考えられるという。
市はこうした福岡型ワーケーションを推進するため、旅行会社の企画とは別にパートナーとして登録する企業・団体も募集している。福岡観光コンベンションビューローに推進事務局を設置し、出張を検討中の個人や企業の相談に応じて、パートナー企業・団体のサービスを案内する。
現在停止中の「Go To」では、昨年11月以降、観光を主目的としないビジネス出張の宿泊プランを割引対象から除外。昨年12月の市内ホテルの宿泊稼働率は41・2%で、コロナ禍前が80%近くだったのと比べると、出張するビジネスマンが多い市では「Go To」の恩恵をやや受けにくい状況だった。このため、市はワーケーションの推進で需要回復につなげたい考えだ。
(塩入雄一郎)