旅行業・観光業DX・IT化支援サービス
itt TOKYO2024

週間ランキング、1位はHISの持株会社制、EXPOフォトニュースも3位に

HIS新ロゴ

[総評] 今週の1位はエイチ・アイ・エス(HIS)が来夏に持株会社制へ移行する計画であることをお伝えした記事でした。現HISの下に100%子会社の「新エイチ・アイ・エス」ができて、それが現HISの旅行業を引き継いで社名を変更して、という少々ややこしい話ですが、大きな話ですので順位について驚きはありません。

 一方、気になることはいくつかあり、まずは「自分たちは旅行会社だ」と自負していたところがテーマパークをやり、文字通り変なホテルをやり、電力にまで手をだし、そしてとうとうそれらと同列になるということについて、現場の感覚として一抹の焦りや不安などネガティブさはないのかという点ですが、HIS広報室によると、以前から必要性は議論されてきており心配はないということでした。

 まあもともと航空会社どころかエイチ・エス証券、モンゴルのハーン銀行など業界の枠にとらわれないのが澤田秀雄氏ですし、そもそも社内でも旅行業が主流であってそれ以外は傍流というような発想もないのかもしれません。

 とはいえ、これで「旅行会社が電力をやっている」というような構図は、イメージとしてはさておき会社組織としてはなくなるわけで、ますます非旅行業の拡大成長が顕著となる可能性もあります。それこそ他の事業が順調に育てば、店舗が重荷になって新しいビジネスモデルもなかなか見つけにくい総合旅行業は見切りをつけて、と思い切ったことをされそうなのも澤田氏ですので、やはりHISからは目が離せません。

 そして、もう一つ気になるのは社名がどうなるかです。ありそうなのは、全日空(NH)的にHISホールディングスとエイチ・アイ・エスとか、あるいはHISモバイル、HIS SUPER電力などと同等にHISトラベルというようなところでしょうか。後者の場合は、よりHISブランドから旅行業のイメージを切り離す効果がありそうで、折しもロゴ刷新のニュースも飛び込んで来たところであり、前段のような可能性が現実味を帯びてくるような気もします。

 また、今週は第3位に先週開催されたツーリズムEXPOジャパンの様子をお伝えしたフォトニュースがランクインしました。私は金曜日の午前中までしか会場にいませんでしたので一般日の全体的な感覚はつかめていないのですが、これまでお聞きした数組の出展者の方々からは(たまたまの可能性はあるものの)概ね高評価が聞かれました。来場者への質問では微妙という声が半数近くではありますが、初めての地方開催で大きなトラブルもなくほぼほぼ期待値に近いレベルまで持っていけたのであれば、それは十分及第点なのではないかと感じます。

 個人的には、ポスターというかパネルを1枚貼っただけの「ミート・ザ・ワールド」コーナーはいい加減どうにかした方がいいと感じたのですが、皆様はいかがでしょうか。見た限りご覧になっている来場者もまばらで、もう少しデジタルも活用して展示を作り込むとか、(環境保護の観点からすれば好ましくはありませんが)配布するパンフレットの種類を増やすとか、せっかくの場なのですからなにかできることがあるのではないかと感じてしまいます。

 なお、最後にひとつ今回のEXPO出張で得た教訓を皆様にもシェアをしておきたいと思います。なにかというと持参したノートパソコンが突然起動しなくなった話で、なんだそんなことかと思われるかもしれませんが、想像以上に何もできなくなりました。会社のシステムにはセキュリティの観点から接続できる端末が制限されているため新しく何かを買っても役に立たず、かといって社用のモバイル端末ではできることが極めて限られる状態でした。

 自分や他の社員が依存する作業環境が出張中に突然損なわれることもあることを認識し、その時のためにどのようなバックアップ手段を用意しておくべきかを考えるのは非常に重要ではないでしょうか。今回はたまたまほとんどの記事を書き終えてから壊れてくれましたが、これが違うタイミングだったらメールニュースの配信が滞ったかもしれません。本当に肝を冷やしました。(松本)

ランキングはこちら