「Relux」がカンファレンス、ラグジュアリー需要など議論

  • 2018年1月25日

パネルディスカッションの様子  国内高級宿泊施設の予約サイト「Relux」を運営するLoco Partnersはこのほど、都内で「Reluxカンファレンス2018」を開催した。「つながりをふやす~顧客創造と宿づくりの未来~」と題して、宿泊業界のトレンドやユーザーとのコミュニケーションのあり方、選ばれる旅館作りなどのテーマに沿って、講演やパネルディスカッションを実施したもので、宿泊業界の未来についてさまざまな議論が交わされた。

 この日は、宿泊市場の変化の要因として世界的に注目されている、新たなラグジュアリー需要への取り組みについても意見交換。パネルディスカッション「ホテルの顧客サービスの最前線~ネクスト・ラグジュアリーの定義は何か~」には、パネリストとして東京ステーションホテル総支配人の藤崎斉氏、ハレクラニ沖縄総支配人の吉江潤氏、ホテル雅叙園東京社長の本中野真氏の3氏が登壇した。

 3氏はそれぞれ「サービスをする、と考えるのではなく、顧客と共感することを大切にしている」(藤崎氏)、「顧客だけでなく、働く者やパートナー企業を含むすべての人が喜び、誇りを持つことが重要」(吉江氏)、「ホテルはリピート産業。顧客の期待に応えて満足度を引き出し、生涯顧客をいかに作れるかが重要」(本中野氏)と、サービスや経営に関する哲学を披露。その上で、ラグジュアリー需要について意見を交わした。

 テーマである「ネクスト・ラグジュアリーの定義」については、藤崎氏はラグジュアリー・ホテルが集まる海外のカンファレンスで頻繁に耳にした言葉「ラグジュアリー・ニーズ・エモーショナル・エンゲージメント」を紹介し、「ヒューマン・コネクティビティが最も重要」と強調。吉江氏も「とにかく人、人、人。そして顧客に対していかにパーソナルな対応ができるかがカギ」と指摘した。本中野氏も「最後は人。サービスの瞬間のコミュニケーション能力が最重要」と説明し、いずれもサービスに介在する人の重要性に言及した。

 ラグジュアリー・ホテルの顧客が求めているものについては、藤崎氏が「モノよりコトと言われて久しいが、情報収集が便利になるにつれてこの傾向が強まり、体験的なものを大切にする領域が広がっている」とコメント。吉江氏は、米国のラグジュアリー・ホテルを視察した際にレストランのウェイターから素晴らしいサービスを受けた体験を紹介した上で、「例えばレストランでは、どんなに料理が素晴らしくてもウェイターの振る舞いで台無しになることがある。接客担当者次第で印象はがらりと変わる。コミュニケ―ションの心地よさが大変重要になっている」と語った。