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航空業界の生き残り策が多様化している。空港運営が国などから民間企業に委託されるケースが増え、活性化や収益拡大に向けて地域の特色を取り込む動きが目立ってきたほか、規制緩和の波とコロナ禍にさらされた航空会社も価格やサービス、経営体制の見直しを進めている。変化の「潮流」を追った。
価格競争
片道1万3700円――。国による航空業界の規制緩和を受けて1998年に羽田―福岡線に参入したスカイマークエアラインズ(現スカイマーク)は、利用客が多い「ドル箱路線」で、大手航空会社の半額という運賃を打ち出した。福岡発の初便は受け付け開始後、申し込みが殺到した。
同社は大手2社に次ぐ「第3極」としてデフレを追い風に成長したが、路線拡大によるコスト増に加え、相次ぐ格安航空会社(LCC)の誕生もあって次第に採算が悪化。2015年に民事再生法の適用を申請し、経営破綻した。
経営再建を進め、元国土交通省航空局長の経験を買われて20年にトップに就いた洞氏は「新規参入によって航空移動が身近な存在になったのは間違いない。改めて路線拡大を進めていきたい」と語る。