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JR東海、事態打開へ期待 リニア反対の川勝知事辞意

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リニア中央新幹線の建設現場を視察する静岡県の川勝平太知事(右端)=2019年6月、静岡市

リニア中央新幹線の建設現場を視察する静岡県の川勝平太知事(右端)=2019年6月、静岡市

 リニア中央新幹線静岡工区の着工に反対してきた静岡県の川勝平太知事が辞意を表明した。JR東海は先週、当初目標に掲げた2027年の開業を断念する方針を表明したばかりだ。同社は3日、「関係者とのコミュニケーションを大切にしながら真摯(しんし)に取り組む」とコメント。後任の知事次第で事態打開が望めるだけに今後の動向を注視する。

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 JR東海は27年の品川―名古屋の開業を目指し、17年11月に静岡工区の工事契約を締結した。しかし、静岡県は環境保全を理由にトンネル掘削工事を認めず、着手できないまま6年4カ月が経過。昨年末、国土交通省の有識者会議は「環境への影響を最小化することが適切だ」とした上で着工を求めたが、川勝氏は譲らなかった。

 静岡工区の遅れにより、同社は27年開業の断念を表明。すぐ着工しても開業は34年以降にずれ込む公算が大きく、開業時期は見通せない状況だ。

 名古屋市の企業はリニア開業を前提にホテルやオフィスビルの建設を進めており、「開業のめどを付けてほしい」(不動産業)との声が多い。日銀名古屋支店の広島鉄也支店長も3日の記者会見で、「工事の進捗(しんちょく)は経済にも非常にプラスだ」と語った。

 行政サイドからも「一日でも早く開業してほしい。その思い一心だ」(大村秀章愛知県知事)、「(開業に向け進展すれば)名古屋にとってありがたい」(河村たかし名古屋市長)と期待する声が相次いだ。

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